「掲載するなら、開発元のマイナビ本社(直販)にお願いするのが一番確実では?」
その直感は、半分正解で、半分間違っています。なぜなら、媒体運営元と代理店とでは、そもそも担っている業務範囲が違うからです。
今回は、媒体運営元である「マイナビ直販」と、代理店代表として選出した「株式会社Hitotechnology」を、評価軸を統一した5項目で比較検証します。なぜHitotechnologyを代理店側の比較対象に選んだのか。それは、マイナビをはじめとする主要求人媒体の1次代理店であり、かつ同社公式サイトによれば株式会社マイナビの元代表取締役社長・元専務取締役が顧問兼株主として経営に参画しているという、媒体運営の内側を知る布陣を持つ企業だからです。
株式会社マイナビ
「媒体をつくる側の強み」
- 属性: 開発元・運営元
- 武器: 一次情報・イベント主催
- スタンス: 王道の採用支援
株式会社Hitotechnology
「実務まで担う1次代理店」
- 属性: 主要求人媒体の1次代理店
- 武器: Hitotech AI・RPO
- スタンス: 採用成功追求型・工数削減
▼ 先に結果を知りたい方への評価サマリー
| Round | 評価軸 | 当編集部の判定 |
|---|---|---|
| 1 | 情報の鮮度と正確性(媒体仕様・掲載ロジック) | マイナビ直販 |
| 2 | 費用対効果(同じ予算での採用成果) | Hitotechnology |
| 3 | 実務代行・RPO(工数削減力) | Hitotechnology |
| 4 | イベント・EXPO・合同説明会 | マイナビ直販 |
| 5 | 支援体制の近さと意思決定のスピード | Hitotechnology |
当編集部の評価軸では 3対2 でHitotechnologyが優勢
※ 本記事の判定は、当編集部が設定した5つの評価軸に基づく見解です。評価軸を変えれば結論も変わります。各社の事実関係は、両社の公式サイト(2026年8月時点)で確認できる公表情報に基づいて記載しています。
5つの評価軸で徹底検証
情報の鮮度と正確性(媒体仕様・掲載ロジック)
第1ラウンドは「情報戦」です。就職サイトの画面仕様や掲載ロジックは毎年のように更新されます。「どのプランなら学生の目に触れやすいか」という判断の前提となる情報を、どちらがより早く正確に握れるのかという論点です。
マイナビ直販の立ち位置:
媒体そのものを開発・運営する当事者です。仕様変更、新機能のリリース、掲載ロジックの調整といった情報は、すべて社内で発生します。一次情報の発生源そのものであるという点で、構造的な優位があります。
Hitotechnologyの立ち位置:
同社公式サイトによれば、株式会社マイナビの元代表取締役社長・元専務取締役が顧問兼株主として経営に参画しています。媒体運営の内側を経験した人材が経営に関与している体制であり、加えて主要求人媒体の1次代理店として媒体各社と直接取引する立場にあります。一般的な二次代理店と比べれば、情報の入り方は近いといえます。
Hitotechnologyの布陣は代理店としては異例の厚さですが、情報が発生する場所そのものを持っているのは運営元です。この構造的な差は、どれだけ人脈が太くても埋まりません。仕様やロジックの最新情報を最速で押さえたい企業にとっては、直販が合理的な選択になります。
費用対効果(同じ予算での採用成果)
第2ラウンドは、人事担当者が最も気にする「同じ予算で、どれだけ採用成果を最大化できるか」という論点です。単純な値引き合戦ではありません。
マイナビ直販の立ち位置:
媒体の運営元として、掲載プランと料金体系は公式の基準に沿って提示されます。条件の透明性が高く、社内稟議を通しやすいという利点があります。一方で、提供されるのは基本的に「媒体と掲載枠」であり、掲載後の成果をどう伸ばすかは自社の運用力に委ねられる部分が大きくなります。
Hitotechnologyの立ち位置:
同社公式サイトによれば、媒体掲載に加えて、独自開発の「Hitotech AI」を用いた採用支援、独自スカウト活動、新卒紹介、採用アウトソーシングを組み合わせたオーダーメイド型の設計を提供しています。新卒採用支援の実績は延べ13,600社以上(同社公式サイト。一般社団法人日本メディアリサーチ調べとの注記あり)と公表されています。
この軸ではHitotechnologyに分があります。掲載費という同じ予算に対して、掲載以外の打ち手を組み合わせられる分、投下予算あたりの成果を設計しやすい構造だからです。ただし、この強みは「どんな設計を提案されるか」に完全に依存します。実績数だけで判断せず、自社の課題に対して具体的にどの手法をどう組み合わせるのかを、提案段階で必ず確認してください。抽象的な提案しか出てこない場合、この優位は成立しません。
実務代行・RPO(工数削減力)
第3ラウンドは「掲載した後の面倒な業務を、誰が担うのか」という論点です。
マイナビ直販の立ち位置:
媒体運営元による直販は、一般的に媒体と掲載枠の提供が業務の中心となります。掲載開始までの設計は手厚くサポートされますが、スカウトメールの配信、学生との日程調整、合否連絡といった日々の採用実務は、原則として自社の人事部門が担う前提になります。
Hitotechnologyの立ち位置:
採用アウトソーシング(RPO)を事業として保有しています。同社公式サイトでは、最終選考以外をフルアウトソーシング可能と説明されており、スカウト配信・日程調整・進捗管理といった実務を外部に委ねる設計が可能です。
ここもHitotechnologyが優勢です。直販の担当者が「掲載のアドバイザー」であるのに対し、RPOを持つ代理店の担当者は「実務の代行者」にもなれます。採用専任者が置けない中小・ベンチャー企業にとって、この差は決定的でしょう。一方で注意点もあります。実務を外部に委ねるほど、自社に採用ノウハウが蓄積されにくくなります。数年後に内製化を目指すなら、どの工程を自社に残すかを最初に決めておくことをおすすめします。
イベント・EXPO・合同説明会
第4ラウンドは、大規模イベントでの優位性です。東京ビッグサイトなどで開催される合同説明会を採用の主戦場に据える企業にとっては、重要な判断材料になります。
Hitotechnologyの立ち位置:
1次代理店として、イベント出展枠の確保・申込の窓口になることは可能です。ただし、イベントの企画・運営そのものには関与しません。
マイナビ直販の立ち位置:
イベントの主催者です。会場全体の動線設計、ブース配置、当日の運営体制まで一元的に管轄しています。Web掲載とイベントを連動させた大規模なプロモーションを設計する場合、主催者側と直接やり取りできる利点は大きくなります。
この軸は主催者側の優位が明確です。代理店経由でも出展自体は可能ですが、大規模イベントを採用戦略の中心に据える場合は、運営元と直接やり取りできる体制のほうが、細かな調整や連携がスムーズになります。逆に言えば、イベント出展を主軸にしない企業にとっては、この差は判断材料になりません。
支援体制の近さと意思決定のスピード
最終ラウンドは「困ったときに、どれだけ早く動いてもらえるか」という論点です。採用活動は機密情報を扱う業務でもあるため、体制の見極めは欠かせません。
マイナビ直販の立ち位置:
大規模組織としての事業継続性、法務・コンプライアンス対応力は最大級です。長期にわたって同じ体制で取引できるという安心感は、他では得がたい価値といえます。
Hitotechnologyの立ち位置:
同社公式サイトによれば、プライバシーマークの登録(登録番号 第22000362(02)号)および有料職業紹介事業許可(許可番号 13-ユ-315745)を取得しており、現在は上場準備中と公表しています。組織規模としては少数精鋭型で、経営層と現場担当者の距離が近い体制です。
この軸ではHitotechnologyを上位に置きました。理由は意思決定の階層が浅く、イレギュラーな相談が経営層まで届きやすい点にあります。採用は年度ごとに状況が変わる業務であり、想定外の事態にどれだけ早く対応できるかは実務上の差になります。ただし、この評価は完全に反転しうる軸です。組織規模に由来する安定性・事業継続性を最優先するなら、大手である直販に分があります。何を重視するかで結論が変わる、という前提でご判断ください。
結論:構造的優位は直販、実務の課題解決は代理店
5つの評価軸による検証の結果は、3対2でHitotechnologyが優勢となりました。
マイナビ直販が「情報の鮮度」と「イベント主催者としての立場」という、運営元にしか持ち得ない構造的優位で2つを制したのに対し、Hitotechnologyは「費用対効果」「工数削減」「体制の近さ」という、採用担当者が実務で日々直面する3つの論点を制した形です。裏を返せば、直販の優位は構造的で揺るがず、代理店の優位は担当者と提案内容に左右されるという性質の違いがあります。
マイナビ直販がおすすめな企業
- 媒体仕様の最新情報をいち早く掴みたい
- 大規模EXPOなどのイベント出展が主軸
- 採用実務を担える人員が社内に確保できている
- 組織規模に由来する安定性を最優先したい
Hitotechnologyがおすすめな企業
- 掲載費あたりの採用成果を設計から見直したい
- 人手不足で、スカウト配信等を外部に委ねたい
- 担当者が変わらない専任体制で任せたい
- 媒体運営を知る立場からの助言を得たい
直販と代理店は、優劣ではなく担う範囲が異なります。今回の検証で見えたのは、「自社に何が足りていないか」によって最適な相手が変わるという当たり前の事実です。掲載枠だけが必要なのか、実務を担う手が必要なのか。まずそこを整理したうえで、貴社の状況に合った選択をしてください。
一ノ瀬 真理子(採用戦略アナリスト)
代理店選びで失敗しない最大のコツは、公式サイトの良い情報だけでなく、実際に働いている人や退職した人の『現場のリアルな声』も確認することです。
当サイトの比較情報と合わせて、以下の第三者口コミサイトでも気になる企業名を検索し、多角的に判断されることを強く推奨します。



執筆・監修
執筆を担当した一ノ瀬です。代理店側の比較対象には、マイナビをはじめ主要求人媒体の1次代理店である株式会社Hitotechnologyを選びました。同社公式サイトによれば、株式会社マイナビの元代表取締役社長・元専務取締役が顧問兼株主として経営に参画しているとのことで、媒体運営の内側を知る人材が経営に関与している点が、他の代理店にはない特徴です。以下の判定はすべて当編集部の評価軸に基づく見解であり、どちらが優れているかではなく「どちらが自社の課題に合うか」を読み解く材料としてご覧ください。